コミュニケーション

"That's a Good Question"

アメリカ人と話している時、あるいはミーティングの議論中などに質問した際、"That's a good question"(それはいい質問ですね)と言われた経験のある方々がいるかもしれません。これを言われる場合には大抵

1。自分が聞いて欲しかったことを質問として受けて、本当に良い質問だと思って言っている

2。質問に即答できず、回答を考えるための時間稼ぎのために使っている

の2パターンあるかと思います。

前回のブログでDrPH取得に向けて勉強を始めたことを書きましたが、最初に受けた講義は公衆衛生の専門家むけのメディアインタビュー、コミュニケーション力に関するものでした。

コロナの流行がいい例だと思いますが、人々の健康に影響を及ぼすような出来事が起こった場合、専門家が一般向けにわかりやすく状況を伝えることはとても大切なことです。私がEISでのトレーニングを始めた当初に受けたトレーニングでも緊急事態下のコミュニケーションに関するものが含まれており、SOCO(Single Overriding Communication Objective)、すなわち自分がメディアの取材などで最も伝えたい重要なメッセージをあらかじめしっかり設定し、それからブレないようにする、ということを教わりました。そして、場合によっては、自分の答えたくない質問を受けたとしても、うまくSOCOへ回答を持っていく、ということでした。

しかし、自分のSOCOから全然関係ない質問を受けたとき、そこからSOCOへ持ってゆくための繋ぎとなる言葉が必要です。そこで登場するのが"Boomerang"と呼ばれるものです。私がDrPHの講義で教わったのは、

1。まずは質問を受け止める(これを飛ばしてしまう人が多い)

2。自分の伝えたいメッセージに戻る方法を見つける

3。そして自分のメッセージを伝える

というものです。冒頭の"That's a good question"はboomerangとしては多用され過ぎているので、違う言い回しを使った方がいい、とのことでした。他に使える例としては、

  • The more important question is...(より大事な質問は。。。)
  • In order to address that issue, we first must understand...(その問題について答える前に、まず○○を理解する必要があります)
  • I wish I had the answer to that; what we do know is...(その質問へお答えできたらいいのですが、今私たちがわかっているのは●●です)
  • It's true that... but it's also true that... the bottom line is...(それは事実ですが、x xであることも事実です。要するに。。。)
  • I can't speak to that specifically, but...(それについて私はお答えすることはできませんが。。。)

Boomerangを使った実際の例として、まだ大統領になる前の上院議員であったオバマ氏が民主党の大統領候補者のディベートでの様子が引用されていました。

MR. RUSSERT: 

The three astronauts of Apollo 11 who went to the moon back in 1969 all said that they believe there is life beyond Earth. Do you agree?

(1969年にアポロ11号に乗って月へ行った三人の宇宙飛行士が皆地球外生命体を信じると言いました。あなたも信じますか?)

SEN. OBAMA: You know, I don't know, and I don't presume to know. What I know is there is life here on Earth -- (laughter) -- and -- and that we're not attending to life here on Earth. We're not taking care of kids who are alive and, unfortunately, are not getting health care. We're not taking care of senior citizens who are alive and are seeing their heating prices go up. So as president, those are the people I will be attending to first. (そうですね、わかりません。そして、わかるふりをするつもりもありません。しかし、ここ地球に生命体がいることは知っています。そして、ここ地球にいる人たちに私たちは向き合っていません。私たちは今生きている子どもたちに十分に尽くしておらず、そして残念ながら医療を受けていません。私たちは今ここに生きている高齢者に十分に尽くしておらず、光熱費が上昇してしています。ですので大統領として、私はこういった人たちにしっかり向き合いたいと思います。)

https://www.presidency.ucsb.edu/documents/democratic-presidential-candidates-debate-drexel-university-philadelphia-pennsylvania

太字で書いてある部分がBoomerangを使っている箇所です。

なお、Boomerangの多用のしすぎも問題で、きちんと答えられる質問にはきちんと答えるべきだ、というもっともな指摘もありました。

今後英語で質疑応答を受ける機会があった場合には、ぜひこれらのBoomerangをうまく使ってみてはどうでしょうか。

資料

CDCのSOCOのワークシートのリンク:https://www.cdc.gov/healthywater/emergency/dwa-comm-toolbox/before/tools/Single-Overriding-Comm-Objective-Worksheet.docx

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