コロナ ワクチン

ジョンソン・エンド・ジョンソン社(ヤンセンファーマ社)の新型コロナワクチン

この記事を執筆している現在(2022年2月10日)、ジョンソン・エンド・ジョンソン社(ヤンセンファーマ社)の新型コロナワクチン(以下J&Jワクチン)は日本では薬事承認申請をされているものの、予防接種法に基づいて接種できるワクチンには含まれていません。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_yuukousei_anzensei_00006.html

アメリカではファイザー、モデルナ社のワクチンに並んで使用が許可されているワクチンです。J&J社のワクチンの使用許可が下りた当初はファイザー、モデルナ社のワクチンとは異なり冷凍管理が不要であること、2回ではなく1回の使用で良いことなどから、コロナウイルスワクチンの接種普及が期待されていました。私がボランティアを行なっているクリニックでも、決められた診察日に来ない人たちもかなりの割合でいるため、1回接種で済むJ&J社のワクチンを当初使用していました。

しかし、コロナウイルス感染に対する有効性が2回接種のファイザー、モデルナ社のワクチンに比べると劣ったこと、また血小板減少症を伴う血栓症(Thrombosis with Thrombocytopenia Syndrome, TTS)が稀ながらもJ&J社のワクチンの接種を受けた人たちに有意に多く報告されたことからアメリカ国内で一時使用が停止されたことなどからあまり普及が進んでいませんでした。

https://covid.cdc.gov/covid-data-tracker/#vaccinations_vacc-total-admin-rate-total

それでもワクチンの扱いやすさなどから開発途上国ではJ&J社のワクチンは重宝されていたのですが、J&J社のワクチンを実質的に唯一製造していたオランダのライデン工場での製造が一時中止されていたことが先日ニュースとなりました。

これまで製造されたワクチンの蓄え(ストックパイル)があるため、製造の一時中止によってJ&Jのワクチンがすぐになくなってしまう訳ではありません。しかし、このことは大々的に発表された訳ではなく(この記事を書いている現在、ヤンセンファーマ社のウェブサイトにはそのような記載は見当たりません)、開発途上国へコロナウイルスワクチンを普及するのに努めているアフリカ連合(African Union)やCOVAX のトップは、ニューヨークタイム社を通じてこのことを知った、という状況であったようです。

このことが問題視されているのは、すでにJ&J社は当初の製造目標より大幅に下回っており、この一時中止でさらにJ&J社のワクチンの供給が遅れることが危惧されているからです。当初COVAXへは昨年度末までに2億回分のワクチンを提供することを目標にしていたものの、それを大幅に下回る400万回分しか提供されませんでした。ライデン工場での製造を一時中止し、その間他の商品を製造することはもともとJ&J社の予定にあったようですが、代わりに他の工場でワクチンの製造をおこなうことになっていました。問題は他の工場で使用可能なワクチンの製造が軌道に乗る前にライデン工場の製造が停止してしまったことです。

次回は開発途上国へのコロナウイルスワクチンの普及を目指すCOVAXについてもう少し書いてみたいと思います。

-コロナ, ワクチン